『聖ちゃ~ん!!』 今日も聞こえてくる、俺を呼ぶ声。 誰か分かりきってる声の主に、俺は溜め息をこぼす。 「おい、聖夜。お前呼ばれてるぞ」 隣で友達のカズが、俺の肩を揺する。 わざと無視してんだからほっとけよ… そう思いながら、俺は後ろを振り返った。 「もう、聖ちゃんっ。振り返るのが遅いよっ」 俺を見上げながら、頬を膨らませて怒るソイツは、 石川美亜(いしかわみあ)。 俺の幼なじみ。