「聖ちゃん?」 「え? あっ、ごめんっ……」 ハッとなって、美亜を離す。 俺今、何してた…? 美亜を、抱きしめてた? 自分の行動の意味が分からず、焦るだけの俺。 けれど心臓だけは、いつもより速く波打っていた。 「聖ちゃん?」 首を傾げながら、俺を呼ぶ美亜。 美亜の声に、心臓がいちいち反応する。 ドキドキが止まらない。 美亜の顔が…見れない。 「聖ちゃん、こっち向いて?」 美亜にそう言われ、視線を向けると。 美亜の顔が、目の前にあった。