「おい。お菓子持って帰れよー。」
はしごで降りようとしたときに部屋から聞こえたけど、開けたお菓子を持ちながらはしごは降りれないので、祐希の声を無視して自分の部屋に帰った。
自分の部屋のベランダに降りたとき、上から「ったく…。」と聞こえ、祐希が怒っている顔を想像したら少し笑ってしまった。
なんだかんだ言っても、夜になるとお菓子と一緒に私の部屋に来てくれると思う。
休日は私の部屋で一緒に夜遅くまでゲームやDVDを見るのことが当たり前になっているから。
夜の九時。
ベランダから物音がする。
「茜ー。今日これ観よー。…なに笑ってんの?」
「ううん。やっぱり来たなぁって思って。」
「ん?ほぼ毎日来てんじゃん。」

