――昼休み、友達と中庭でお昼を食べていると、ふと見上げた先に菅谷くんがいた。
なぜかドキッと高鳴る心臓。
ん?何このドキッて。びっくりしたのかな。
菅谷くんは、校長先生の手伝いをしているのか、ダンボールの箱を持って廊下を歩いていた。
そういえば、前にもあんなことがあったなぁ。
先月、放課後に菅谷くんが担任の雑用をしてて、私がしょうがないなって顔しながら手伝ってあげたんだっけ。
菅谷くんは先生達に気に入られてるようで、よく頼みごとをされてる。
まあ、気に入られる理由はわからなくもない。
何を頼んでも嫌って断らないし、私が認めるくらいには優しいし。
でも、やっぱりモブ男くんって、おしゃれなところを除けば、どこにでもいる普通の男子高校生なんだよね。
「どうかした?千衣」
「う、ううん!別に、う、うぐいすがいないなあって」
「うぐいす?この季節に?いるわけないじゃん」
モブ男くんを見ているとバレないように慌てた私の頭に出てきた言葉が、それ。
なぜ、うぐいす?自分で言ったくせに、呆れちゃう。



