【企】悪い先生で、ごめん

「久しぶりに会った君は、たった2年で見違えるほどに成長してた。正直……戸惑った。教えると言った手前、こんな可愛い子と2人きりで大丈夫かなって」

「えぇ!?」

「俺は、最初から君のこと……意識してた。こんなこと言ったら、ホント危ないやつだけど」

「そ、そうなんですか?」

危ないものですか。

嬉しくって……どうしていいか、わからないです。

全部、米司さんの提案だったなんて。

前に一度、それもほんの少し会ったわたしのことを、覚えていてくれたなんて。

「ずっと、隠してた。これからも、隠してくつもりだった。隠している限り、君の側で応援できると思ったから」

「……米司さん」

「だけど、もう無理だ。このまま隠し通す自信がなくなった。悪い先生で、ごめん。これからが大事な時期なのに、こんな話してしまって……」

そんなこと、ない。

わたしは嬉しさのあまり、衝動的に、米司さんに抱きついてしまった。