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米司さんと向かったのは、家から歩いて10分のところにあるファミレスだった。

家の近くの大きな公園をこえれば、すぐ見えてくる。

この公園が、近道。

ファミレスにつくと、幼稚園くらいの子を連れた家族や、高校生や大学生くらいのカップルがいた。

米司さんとわたしもカップルに見えるのかな?

………いや、違うか。

周囲には仲の良い兄弟とかそんな風にうつってそうだ。

「何にする?」

向かい側に座った米司さんが、メニューをこっちに向けてくれる。

「米司さんは?」

「俺は、もう決めたから」

はやっ……!

来る途中、さりげなく歩道の車道側を歩いてくれたりとか。

こうしてメニューをスムーズに私に見せてくれたりとか。

そういうの、イメージと違う。

第一印象だと、そういうことできる人には見えなかった。