【企】悪い先生で、ごめん

わたしはやり場のない想いを、どういうわけか、諒にぶちまけていた。

「つまり。あいつに告って、まんまと玉砕(ぎょくさい)したと」

うっ……。心がズキンと痛む。

諒よ、もうちょっとオブラートに包んではくれないかな?

「そうよ。悪い?」

って、なんだこの嫌な言い方。諒に当たってどうするんだろう。

「それさぁ……」

「ん?」

「ほんとに、フラれたのか?」

どういう意味……?なんで、そんなこと、確認してくるの?

「フラれたんだよ。わたしみたいな子供、相手にしてもらえるわけなかった。だから、傷つけないように優しくフッてくれたんだと思う」

自分で言っていて悲しくなる台詞だ。辛い現実を、再確認させられているのだから。

「………どうだか」

「諒、何が言いたいの?」

「別に。俺があいつの橋渡ししてやる必要もねーか」

「………?」

「ってことはさ。お前、絶賛失恋中なんだよな?」

「そ、そんな言い方しなくっても……」

「なら、俺にしとけば?」

「え?」

「俺にしとけよ」