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「まるで、生きた屍(しかばね)のようだ」
「………は?」
掃除の時間。
教室でホウキを使って掃き掃除をしていたわたしにそんなことを言ってきたのは、諒だ。
「なに?いきなり」
「幸……顔、死んでんぞ」
「………っ!?」
「どうせ、あいつと何かあったんだろ」
「へ?あ、あいつ…?」
「とぼけんなよ。お前の家にあがり込んでる、オッサン」
「あがり込んでるとか、オッサンとか、言わないでよ!」
「図星だろ」
「………!!」
「佑佳や友美は気づいてないっぽいけど。あいつらに気を使ってなにも言えてないんだったら、俺に話せば?」
「………」
どうして、この人は気づいてくれるんだろう。


