「それって遠回しに、先生と生徒以上の関係にはならねーって言われてんじゃねーの?」
いきなり会話に誰かが入ってきた。
こんな、憎まれ口をたたくのは……
近くの席の男子、山下諒(やましたりょう)だ。
わたしと中学3年間同じクラスの腐れ縁。
なんていうか……一言でいうと、チャラい。
中学生にして、茶髪にピアス。1年の時からこれだもん。
名前の順で席が近いってだけの理由で、入学当初からなにかと絡んできた。
「ちょ、勝手に話聞くなって山下!」
「うるせーよ、佑佳たちの声がでけーんだろうが。女子ってのは、そう毎日毎日、恋愛話ばかりしてよく飽きないな?」
「そういう男子は、トランプばっかりしてよく飽きないね?子供っぽい」
諒と佑佳、友美の口喧嘩は日常茶飯事だ。
仲がいいからこそ、こうしょっちゅう言い合いができるのだけれど。