【企】悪い先生で、ごめん

こうして、佑佳と友美にわたしの気持ちがバレた。

『あの女より、幸の方がピチピチだし!』『そうだよ!幸がいい女になった時には、あの女はオバさんだよ!』

と、なんとも相手の女性に失礼な励まし方をされ、いまいち嬉しくもなんともないたわけだが、2人はわたしを応援してくれるみたい。

受験も、恋も。

だけどこんなに一瞬でバレてしまったわたしの気持ち……。

ひょっとしたら、米司さんに気づかれてしまっているんじゃ……?

そう思うと、明日会うのが少し気まずい。


 **


「___で、この場合、助動詞のあとは……」

「……」

「幸ちゃん?」

「……!は、はいっ!」

「大丈夫?なんか今日、集中力ないね」

「すみません……」

「学校でなにかあった?」

いえ、違うんです。昨日の放課後のことが気になって気になって。

あの人は、米司さんの彼女さんですか?

米司さんは、あの人が好きなんですか…?

「俺に話して楽になることなら、なんでも言ってよ」

……言えるわけ、ないじゃないですか。



米司さんがわたしの気持ちを気づいているようには見えない。

ひょっとしたらバレバレかもなんて、考え過ぎだったかな。

「あのさ、幸ちゃんが良ければなんだけど…」

「?」

「来る回数を増やすのは厳しいけど。時間なら、終電まで俺は全然余裕あるから、もっと伸ばすことは可能だよ」

「………!」

「って、そんなに居られると、息が詰まるかもだけど」