【企】悪い先生で、ごめん

「米司さん……」

「へ?」

「幸、米司ってまさか例の……」

あれは、まぎれもなく米司さんだ。

隣にいるのは、茶髪でロングヘアーの女性。

ヒールの高い靴をはいて、お洒落なワンピースを着ている。

米司さんはわたしには気づかずに、歩いて行ってしまった。

「さっすが東大生。冴えない感じでも、あんな美人と歩けるんだー」

「東大ってだけで、モテそうだしね。それに……地味だけど、結構イケてない?もっとお洒落したら、それなりにカッコ良くなりそう。背高くてモデルみたいだし」

「……」

「幸?」

「どしたの?」

やっぱり、彼女いたんだ……。

「もしかして、幸……」

「…へ?あ、ごめん……」

「幸、好きなの?」

「え!?」

「だって、今すっごい顔してるよ。この世の終わりみたいな」