「はじめまして」


黒髪に、黒ぶち眼鏡。

真っ黒なTシャツに、ジーンズ姿。

〝シンプル・イズ・ベスト〟といった雰囲気のその男は、身長180はありそうな、長身男だった。

その割に細身で、勉強ばかりしているためだろうか、色白で筋肉だってない感じ。

…………弱そう。

米司先生は、中3のわたしにいきなり舐められるくらいの、そんな印象の男だった。


「それじゃ、先生。娘をよろしくお願いしますね」

ちょ、ちょっと待って。

「わかりました」

わかりました、じゃなくってですね…!