「うち、そんなに裕福でもないから。お母さんパートしてるくらいだし。そういう、お金のかかるところに行きたがるわけにはいかないんです」
「……!」
「お母さんは、前から言ってくれていたんです。塾でもなんでも、必要なら通ったらいいんだって。でも、K高に行きたい理由ってのが……この際だから話しちゃいますけど……制服なんです」
「制服?」
「はい。小さい頃、近所にK高に通ってるお姉さんがいまして。それを見て、素敵だなって憧れて。絶対に行きたいって思ったんです。当時はまだ難関高校って認識がなく、ただ行きたいって願ってたんです」
「そうだったんだ」
「そんな理由で塾にまで通わせてもらうのも申し訳ないじゃないですか。自分のレベルに合ったとこ行けばいい話なのに、背伸びなんてして、それも制服が着たいってだけで、塾とかの高い授業料払ってもらうわけにいかないです」
「幸ちゃんらしいね」
「え?」
「いや、両親想いだねってこと」
「笑わないんですか?」
「なにを?」
「いや、制服なんてどこでもいいじゃん、とか」
「なんで?いかにも女の子らしい理由じゃん。……そういうの、可愛いと思う」
「……!」
「お母さんは、前から言ってくれていたんです。塾でもなんでも、必要なら通ったらいいんだって。でも、K高に行きたい理由ってのが……この際だから話しちゃいますけど……制服なんです」
「制服?」
「はい。小さい頃、近所にK高に通ってるお姉さんがいまして。それを見て、素敵だなって憧れて。絶対に行きたいって思ったんです。当時はまだ難関高校って認識がなく、ただ行きたいって願ってたんです」
「そうだったんだ」
「そんな理由で塾にまで通わせてもらうのも申し訳ないじゃないですか。自分のレベルに合ったとこ行けばいい話なのに、背伸びなんてして、それも制服が着たいってだけで、塾とかの高い授業料払ってもらうわけにいかないです」
「幸ちゃんらしいね」
「え?」
「いや、両親想いだねってこと」
「笑わないんですか?」
「なにを?」
「いや、制服なんてどこでもいいじゃん、とか」
「なんで?いかにも女の子らしい理由じゃん。……そういうの、可愛いと思う」


