「全教科まんべんなく教えていくけど、夏休み明けからは英語を重点的に教えようと思う。幸ちゃん一番得意みたいだし、周囲と差がつけられるのは、やっぱり英語だと思う」

「よろしくお願いしますっ…!」

今、さらっと、夏休み明けても一緒に勉強してくれるって、言いましたよね?

「あと、面接だけど。それは4人ずつとかで、これまでだとどうしてこの学校に入りたいかとか、入学したら何がしたいとか聞かれたみたいだよ」

そんなことまで、調べてくれたんだ。

「時期がきたら学校でも、面接の練習させてもらえるんじゃない?」

「そうかもしれないです……」

「幸ちゃん、ちゃんと礼儀正しく話せるし、感じ良いし。あとは動機がしっかりしてたら、なんなくクリアできそうだよね」

そ、そうかなぁ!?

「俺は中高一貫の私立だったから高校受験なかったけど、こうして教えていると、自分も受験生になった気分だよ」

「えぇっ?」

「多分、幸ちゃんの入試当日は、自分のことのようにドキドキしてしまうと思う」

「な、なんで米司さんが……」

「合格発表の時は、感極まって泣いちゃったりして」