食卓を、お母さんと米司さんと囲む。なんだか変な感じ。

わたしには兄弟がいないけれど、お兄ちゃんがいたら、毎日こんな感じなのだろうか。

「米司さん、下宿って?」

「俺、実家を出て大学の近くに1人暮らししてるんだ」

「……!それじゃ、ここまでわざわざ電車乗り次いで来てくれてるんですか?」

「そうだよ」

知らなかった。てっきりパート先の人の息子ってだけで、ご近所さんとばかり思ってた。

米司さんは、大学の授業を終えて、それでここまで来て、また下宿先まで帰ってたの?

「なんか、すみません……」

「気にしないでよ。交通費は、安元さんが出してくれてるし」

「そうなの?お母さん」

「東大の先生に来ていただくのに、そのくらい当然でしょっ」