「それは___」

米司さんが何か言いかけた、その時。

コンコン、とドアがノックされた。

「幸、あけるわよー?」

無論、お母さんだ。

「なに?」

なんで、このタイミングで入ってくるかな。

でも……助かったかも。

『そうなんだ。今日はデートなんだよ』とでも言われれば、少なからずショックを受けずにはいられなかったと思う。

もしかしてわたし、米司さんのこと…。

「いつもの調子なら、そろそろ先生帰る時間だなって思って。ねぇ、せっかくだからうちでご飯食べて行かない?」

「いいんですか?」

「下宿してるんでしょ?だったら、うちで食べてってよ」

「助かります、安元さん」

下宿……?