【企】悪い先生で、ごめん

わたしは、気になっていることを聞いてみた。

「あの……このままずっと、教えてもらっていいのでしょうか?」

「え?」

「だって。世間一般で東大生に勉強を教えてもらうってなると、授業料高いと思いますし」

「なに言ってんの。もう、幸ちゃんは友達だよ」

「へ?」

「っていうか、そのくらいの感覚で接してくれていいよ。別に敬語も使わなくていいし。って、こんなオジさんと友達とか言われても……嫌か」

そう言って、米司さんは苦笑いした。

「……!お、オジさんじゃないです!」

オジさんな、ものか。

どう見たって、爽やかなお兄さんだ。

「いやいや、オジさんだよ。成人してる俺からしたら、中3の幸ちゃんが眩しすぎて。こうやって話してること自体、いいのかなって思える」