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「ごめんね、昨日来れなくて」

翌日、午前中から米司先生が来てくれた。

なんでも、夕方から用事があるからはやい時間の方が都合がつくと言われたそうで。

「いえ、全然です。先生の都合、最優先にして下さいっ!こっちは、お願いしてる身なので」

「幸ちゃんは、優しいね」

いやいや。先生の方が、100倍優しいです。

「っていうかさ、今更なんだけど。先生ってなんか恥ずかしい」

「え?それじゃ……」

って、わたし、先生の下の名前…知らない。

「なんて呼んだらいいですか?」

「普通に名字でいいよ」

「それじゃ……米司さん?」

「そうだね。そっちの方がいいや。先生って呼ばれるほどの者でもないし」

米司さんは、謙虚だ。

「じゃ、さっそくやってこうか」

……あ。名前、聞きそびれた。