「でもさ、あたしと友美はともかく、幸はそんな勉強する必要なくない?」

3人の中では一番勉強ができるわたし。といっても、学年で真ん中あたりに入れたら良い方。

年中成績は、並。

2人はS高を目指してる。というか、この中学の大半の子は校区的にそこを受ける。

だから、わたしも2人と同じ進学先なのだと思われている。

S高ならわたしでも無難というか、無理せずとも合格できるライン。

K高に落ちれば、S高に行くことになる。

佑佳や友美がいる高校に通えることになるなら、それはそれで嬉しい。

だけどわたしには、どうしてもK高に行きたい理由があった。

「実は……わたし、K高行きたいの」

「そうなの!?てっきり、うちらと同じだと思ってたよ」

「ずっと行きたいなと思ってて、でも全然届きそうになくて。諦めるか迷ってたんだけど、先生が教えるの上手で、今はやれるだけのことやってみようかなって思ってる」

「そっかー、だったら頑張んなきゃだね。ファイト、さちーっ!」