くれなゐ症候群

できればもうこの話はやめてほしかった。ひどく居心地が悪い。

奈緒の過去にもつながりがある、翔一の話。


「こんなシケた町におさまる男じゃなかったから、高校卒業なんて待てずに出てっちゃったんだろうって、みんな噂してたけど。
今ごろは、大きなグループのリーダーになってるだろうって。
それにしても、誰にも何にも言わずになんて、ねぇ」


「つき合ってたのに、なにも聞いてないんですか?」


「だからあたしは、彼女じゃないって」
自嘲気味に、カヲルが笑う。

「山ほどいた、翔一にむらがってた女の一人ってだけ」