「お薬飲めば、咳は止まるんだけど、量を増やさないと効かなくなっちゃって・・・
でもあんまり多いと、あれ、心臓に負担かかるから・・・」


「だから休んでてって、頼むから」


「今日もお弁当作れなくて・・・」
母の繰り言はつづく。


「いいんだってば、ホントに」
打ち切るように、明るい口調で言う。


「そういえば、修ちゃん、もうずっと顔見せてくれないねぇ・・・」

ひとり言のようにつぶやかれた、母の言葉。


「・・・・・」