こっちへおいで、怖くないよ、
中学三年の翔一が、奈緒に声をかけたのは、初春の夕まぐれ。
一人で帰り道を歩いていたときだ。
いいもの見せてあげるから。
つながれた手がこそばゆい。
幼子でもないのに、手をつなぐ。
その意味することは、まだおぼろげで、戸惑いが胸にわく。
「いいもの、って?」
「野良猫が子ども生んだんだ。いま行ったら、たぶんさわれるよ」
中学三年の翔一が、奈緒に声をかけたのは、初春の夕まぐれ。
一人で帰り道を歩いていたときだ。
いいもの見せてあげるから。
つながれた手がこそばゆい。
幼子でもないのに、手をつなぐ。
その意味することは、まだおぼろげで、戸惑いが胸にわく。
「いいもの、って?」
「野良猫が子ども生んだんだ。いま行ったら、たぶんさわれるよ」



![he said , she said[完結編]](https://www.no-ichigo.jp/img/book-cover/1737557-thumb.jpg?t=20250401005900)