青蝶を包む朱い羽



本気でやばいと思った2人に
助け船を出したのはこのCLUBの黒服さん。
惜しかったな・・・
 

「報告をしますのでこちらに」

「あ、あぁ・・凪穂、ここから動くなよ」

「じっとしてるんだぞ真白」

「「早くいって」」


耳と尻尾を下げた犬のように、落ち込みながら出て行ってしまった2人・・・

後で慰めておかないとね・・・
にしても、あの人が草薙翠さんか・・・
たしかに、かっこいいんだろうけど、
やっぱり・・・


「「莉月(翠)が一番ね」」


再び同時に喋った私達は笑いあい、
今までのことを少しだけ語り合っていた。


「真白は莉月さんのどこを好きになったの?」

「そうですね・・・目ですかね?」

「目?」

「はい!」


最初に見たときのあの目・・・
あれに一目惚れだったんだと思う。


「凪穂は?」

「私は、雰囲気かな?」

「雰囲気ですか?」

「そう、翠の雰囲気って何か独特でしょ?
私はそれに惹かれたのね」


なんて、自分で納得までしていた。