「つきました」
陽希のその声で、素早く降りた拓哉は
いつもと雰囲気はちがく、真面目だ。
「ありがとうごさいます。拓哉、陽希」
「行こうか」
手を差し出してくれた莉月の手を取り、
私は外にでた。
そこから沸き起こる声に、視線・・・
私はそれに見向きもせず、ただ前にいる
愛おしい人をみるだけ・・・
拓哉と陽希はまだ外にいるそうで
私達だけで中に入った。
中には女はいなく、カラフル頭の男達だけが騒がしくしていた。
私達が入ると、騒がしかった中は静まり返り、私達を見ていた。
「気にするなよ・・お前は俺だけを見てろ」
「フフ、莉月以外に目がいくわけないでしょ?」
優しく微笑んだ莉月をみて、その場にいた全員が息をのんだのがわかった。
その時、その場には合わない声が響いた。
「お疲れさまです。先代」
後ろを向けば、これまたカラフル頭の人たち・・・でも、回りの人達とは雰囲気が全然違うのはわかる。
それに・・・一番前にきたこの人と、
その後ろにいる赤琥珀の瞳の人・・・
私はこの人たちを知っている気がする。
「・・・あぁ・・・」
莉月はいつもの無口に戻ってしまった。
まぁ、それでもさまになってるもんね・・
「では、案内します。」

