青蝶を包む朱い羽



不安なのは私だけじゃない。
そんなことわかっていたじゃない。


「大丈夫だよ?私はここにいる」


頭を撫でながら、莉月を抱き締めた。
莉月はあまり人を頼らない。
というよりは、信じることもしない。
極道という世界で生きてきた莉月にとって
人を信じることは大切なこと・・・


私が不安にさせてどうする。


「舞さん?どんなドレスが似合うと思いますか?」

「そうねぇ・・・あ、これなんかどう?」


そう言って渡してきたのは、
青のワンピースで、後ろの方が長い・・・
前は膝より少し上で、左肩だけで、
ちょうど刺青が見えるようになっている。


もしかして、見せびらかせって言いたいのかな?
恥ずかしいから嫌なんだけど・・・


「どう思う莉月?」

「お前は何でも似合うが・・・駄目だ」

「え?」


私は断られた理由が分からず
首を傾げていると、拓哉が教えてくれた。


「嫌なんだよ、他の奴に見せるのがね」

「それって・・・」

「そうそう、嫉妬だよねぇ?・・だぁ!」


いつもこれで終わるな・・・たまには
かっこいいところを見せようよ拓哉・・・


溜息を付きながらも私は莉月が拓哉に構ってる間に、服に着替え、上にカーディガンを羽織った。
試着室からでると舞さんがいて何故か顔を赤くしていた。


「どうかしましたか?」

「い、いや!(ヤバい、似合いすぎる)
そ、そうだ!カーディガンはまぁきてていんだけど、こうしてね?」