青蝶を包む朱い羽



お店に着いたところで、莉月を起こし、
2人を車に残して、店に入る。

お店の店主はどうやらおじいさんのようで
優しい方だった。


見られるのは嫌だったので外で
まってもらっていると、外からは女の
声が聞こえてくる。
それに私の心はモヤモヤして、いい気分ではなくなった。


「お嬢さん、坊のこと好きなんだね」

「はい、だけどまだ私は子供で、
早く追いつかないと行けないのに」


莉月はどんどん遠くに行ってしまいそうで、私は追いつかないのではと
時々思うことがある。


「それほど思ってくれる人と出会ってくれて私しゃあ嬉しいよ」


作業が終わり、私にタオルをかけながら
そう言ったおじいさんの目は
とても優しく莉月のことを
考えていた。


「莉月は私の全てですから」

「これからも坊をよろしくね?」

「はい、」


話し終えて、自分の服を着、カーテンからでると、不機嫌MAXの莉月が
たばこを吸っていた。
また何かあったんだろうな・・・


「莉月?終わったよ」

「真白・・・」


さっきまでの険しい顔はどこえやら、
優しく微笑みながら私の首に
顔を埋めながら匂いをかがれた。

いつもやるけど、私にしたら臭くないのか
すごく気になるんだよ!
だけど、引きはがしたときの
莉月が子犬になると考えると、
鼻血をふく可能性があるのでやめます。