「ところで、貴方、随分可愛いわね!」
「え?・・・いっいえいえいえ!
貴方の方が綺麗ですから!私なんて足下にも及びませんよ。お二人の息子さんは
とてもイケメンなんでしょうね」
いかん、思考停止してしまった。
もうこの人たちが綺麗すぎて見てられないし、どうしよう・・・
「あのね、悩みがあるんだけど聞いてくれるかしら」
「へ?あ、はい。私でよければ」
「実はね、私の娘が極道に嫁ぐとか言い出しちゃって・・・そんな危ないところ行かせられないでしょ?止めても嫌だの
一点張りでね、相手が好きだからって」
今、その挨拶に行く人があなたがたの目の前にいますよ。
ても、確かに極道は危ない。いつ命をとられるかわからない・・・
だけど、私はこの命を莉月がもらってくれた。
あんな私でも愛してくれる人が1人でもいる。
その人のために、私も命をかけると誓った。
「娘さんは、その人じゃないと駄目な理由があるのではありませんか?
ちゃんと気持ちを聞いて、それでも納得しないというなら、娘さんはきっと・・・
縁を切ることもいとわないと思いますよ。」
なんか、莉月に会ってから私はキャラが随分変わった・・・
それはいい方なのか悪い方なのか、
後々わかることかな・・・
「貴方はそうなの?」
「私には両親はいません。弟はいたんですが、なんと言いますか・・・離れてしまって・・・それに、私には記憶がないので」
「記憶が?」
「はい、空白の2年間ですね・・・
何をしていたか、どこにいたのか、それをどうして忘れてのか・・・私にはわかりません。」

