青蝶を包む朱い羽


ー side真白 ー


ついたのはどうやらホテルのようで、
テレビでも有名のホテルだ。


「ここにいるの?」

「あぁ」


なんか・・・ここにはいるのが怖くなってきたよ。
今までと世界が違うからね。


「大丈夫か?」

「うん、大丈夫」


莉月の両親だもんねぇ
きっと美男美女だろうな~。


「で?なんで私は1人なわけ?」


遡ること20分前・・・・・


ホテルに入り、莉月に電話がかかってきた。
ちょっと用事があると言いながら
不機嫌そうにどっかに行って、拓哉はついて行ったし、陽希は、
何故か連行されて、私だけここで待たされてるみたいな?


早く来てよ~、両親がきたらなんて言えばいいの?
今日は天気がいい、とか?
そんなわけないでしょ。
息子さんとお付き合いしてます!
って、第一声がそれってどうよ。


「ハァ、」


溜息をつくと、前の椅子に誰か座ったようだ。前を向くと、
これはまた美男美女の2人で
20代の恋人かな?
ん?何でここに座ったの?


「すみません。少し息子を待ってるんです。一緒でもいいですか?」

「あ、はっはい!わ、私も人を待ってたので」


いや、こんな事してていのか?
両親さんが待ってるんじゃ?