青蝶を包む朱い羽



って、なにげにひどいなぁ~
まぁ、笑ってるんならいいかもな・・・
あいつのあんな表情、見たことがない。


「もう時間だな。行くぞ」

「ちょっと待って?」


真白ちゃんは尻餅付いてる女達に近づき、
何かを耳打ちしていた。
それを聞いた女達は急いで立ち上がり去っていった。

何を言ったんだ真白ちゃん。

いつも・・というより、口は笑っているが目は笑っていない。
この子を怒らせたら駄目だな・・・


「何を言ったんだ?」

「ん?ちょっとだけ叱っただけだよ?
楽しい時間を邪魔しないでね?って」

「そ、そうか」


多分、真白ちゃんは・・・
『こっちは楽しく過ごしたいから邪魔するなら覚悟・・・ある?』
とでも、言ったのかな・・・


我ながら怖い人だ。
姐さんと似てるとこあるよね?
てか、草薙組の若姐さんもこんな感じだよね?
仲良くできそうだし、会わせてみたいものだ。


「どうかしたのか?」

「いやぁ面白い子だよね。真白ちゃん」

「そうだな」


あの子がいなくなったら、莉月はどうなってしまうのか・・・
考えただけで怖いな・・・
でも、俺はあの子ならと思うんだよ。




ー side拓哉 end ー