ー side拓哉 ー
ここにきてから随分、俺達に懐いてくれた。
あれがあの子の素なんだろうな・・・
まぁあの方が俺は好きだけど、
今はこの馬鹿な女達からだな。
『あのぉ~どうせあの女なんて遊びですよねぇ?私ならもっと満足させれますよぉ?~』
そう言って俺の腕に絡みついてくる女。
本当、真白ちゃんの香りのせいか
他の女の匂いが前以上に臭くなった。
「誰の女に向かって貴方がたが『あの女』呼ばわりしている。」
『きゃっ!』
絡みついていた女を引き剥がし、地面に尻餅をついた女。
こんな程度で尻餅をつくなんて、
か弱い女気取りか・・・くだらない。
俺が若の女だと認めるのはあの子しかいない。
「消えろ。もう二度と顔を出すな」
『ヒッ』
「拓哉?言いすぎですよ」
そんな穏やかな声が後ろの方から聞こえ、振り返れば若に腰を抱かれながら
微笑んで出てくる真白ちゃん。
「だってさぁこういう子ってあんま好かないんだよねぇ」
「それでも、顔が真っ青になってるでしょ?あまり調子にはのらないでくださいね?」
「はーい」
この人の言うことに逆らえるなんて一生かかってもできないな・・・
「あまり構うな」
「フフ、ちょっと叱っただけだよ?」
「こんな奴どうでもいいだろ」

