青蝶を包む朱い羽



    コンコン


「若、東堂です。」

「入れ」

「失礼します。」


中にはいると、何故か床に寝そべっている拓哉の姿があった。

まぁ、また何かやったんだろう。
気にしたら負けだ。


「外で真白さんがお待ちです。それと、
真白さんのことで耳に入れてほしい事が」

「なんだ?何かあったのか?」


今までの若からは感じられないほどの
慌てぶりに少しだけうれしく思った。


「今日、真白さんに好きとは何かと聞かれましてね」


意味がまだわかっていない若。
首を傾げながら、何かと聞いてくる。


「ハァ、つまりです。真白さんは
何故そんな事を聞いたと思いますか?」

「それは・・・まさか」

「そのまさかですよ?」


若は嬉しさのあまりいつもの冷酷な顔ではなく、ただ1人の女性を愛してる人だ。


顔が緩んでいる若を寝そべっている拓哉が笑うと蹴りがとんだ。

まだ自業自得だがな。


「若、そんなものはほっておいて早く真白さんの所へ」

「そうだな」

「ひどっ!」


後ろから訴えてくる奴がいるが
気にしないで行こうか。