青蝶を包む朱い羽



「確かに好きですが・・・莉月との好きとは何かが違います。」

「それでいいんですよ?」

「え?」

「きっと答えてくれますよ。若なら」

「そう・・・でしょうか」


真白さんは不安を浮かべながら
どこか遠くを見ていた。


「真白さん?」

「え?あ、あぁすみません。
早く行きましょう」


真白さんは恐れているんだ。
また、自分の周りから人がいなくなるのが
闇に引き戻されることが・・・


手助けしてもいいだろうか?
いや、この際だ。真白さんにも
もちろん若にも幸せになってほしい。

そのためなら、何でもやろう。
邪魔する奴らは俺が消す。


「陽希?フフ、どうしたの?」

「いえ、考え事ですよ」

「そう?」


この人に、これ以上悲しみなんて感じてほしくない。
そう思うのは、俺がこの人を認めているからだな。



ー事務所ー




「では、少しお待ち下さいね」

「はい」


車で真白さんを待たせ、若を呼びに行く。