ー side陽希 ー
ここに真白さんが来てから早くも半月が
過ぎた。
若は昔とは全然違う、甘々なオーラを真白さんに向けている。
今までの女は皆、金、ブランド、あるいは
親友である草薙組の若狙いもあり、
女はただの道具だと思い始めた矢先、
真白さんが現れてくれた。
あんな若を見られるなんて感動だな。
「どうかしたんですか?陽希」
「いえ、なんでも」
夕食の買い物をしている真白さんもだんだんと感情が戻り、
俺は知らないが皆さんが知っている真白さんに戻ってきている。
俺のことも『さん』付けはやめてくれたが
敬語はやめないと言われてしまったが、
楽しそうならいいか。
このまま何もなければいいが・・・
「陽希は結婚してるの?」
「いえ・・・つき合ってる女はいますが」
「やっぱり!?よかったです。
聞きたいことがあったので」
聞きたいことか・・・
一瞬、この人も若を捨てるのかと思ってしまった。
「心配しなくても私から莉月を裏切ることはありませんよ?」
「そうですか・・・それで聞きたいこととは?」
「あの・・・私、好きという感情がわからなくて・・・どんなものなのかなぁ~と
気になったものですから」
真白さんは恥ずかしそうに
少しだけ顔を赤らめながらそう言った。
俺は少しの期待を抱き、質問をした。

