青蝶を包む朱い羽



「どうした?」

「何でもないです・・・あ、」

「フ、」


敬語になった私が口を抑えると
それがまた可笑しかったらしく拓哉はお腹をかかえていた。


もう『さん』はつけなくていいかなって・・・


「そうだ、莉月はどうなの?」


そう聞いてきた拓哉は面白そうで、
本人は何故か不安を思ってる顔になっていた。

それを見ていられず私は両手で莉月の顔を包むようにした。


「莉月はとても温かい人・・・
私の大切な人だよ?」

「っ!期待するぞ」

「してて?」


確信なんてないし、未来を見る事なんて
私には不可能・・・だけど
私は必ず貴方を選ぶんだ。
どんな事があったとしても・・・


「あぁ、待ってる」


私が莉月にたいして思うこの気持ちはね
初めてのものなんだよ?
誰かをここまで信用しようとしたのも
愛したいと思ったのも・・・
すべては貴方のおかげなんだ。


「あのぉ~邪魔するようですが、莉月さん
そろそろ仕事に行かないとさ?」

「チッ」


そんな事を言った拓哉を莉月は一度蹴った
何か可哀想だな・・・

手助けしてあげよう


「莉月?仕事場ってどこ?」

「・・・この下」