私はまだ顔を埋めている莉月の頭をさっきと同じように撫でる。
「俺達からしたらそこにいるのが気になるよ。優しいなんて言うのは
君と姐さんくらいじゃないかな?」
姐さん・・・てことは、莉月のお母さんだよね?
こんなに顔が整ってるんだもんね。
両親なんてきっと美男美女だよ。
「それでさ真白ちゃん・・・
俺のことだけそんな警戒しないでぇ」
泣き真似をするように目を隠した拓哉さん
それをただ馬鹿だな、みたいに
見ている莉月と陽希さんから
これはいつものことなんだとわかる。
「いや、なんと言いますか・・・
貴方からはあまり関わっていいような
雰囲気がしないので。」
今までいろんな人に売られてきたからか
どんな人間なのかは
見ればだいたいわかるようになった。
「どんな奴に見える?」
そう莉月に聞かれ、正直に答えた。
「そうだね・・・女を取っ替え引っ替え
してそうな人かな?」
「「ブフッ」」
そう言ったら何故か莉月と陽希さんに
笑われ、お腹まで抱えていた。
当の本人の拓哉さんはどうやら本当の
事のようで、隅っこでのの字を書いてる。
「本当におもしろいなお前は」
「当たってたみたいだね?」
「あぁ、なら陽希はどうみえる?」
そう言われ陽希さんを見ていると
どうしてか聞いてきたはずの莉月が
とても不機嫌になっていた。
これは早く答えた方が陽希さんの為でもあるね・・・
答えようとすると、のの字を書いていた
拓哉さんに遮られてしまった。
まぁ拓哉さんがどうなったのかは、ご想像にお任せします。
「それで?」
拓哉さんをおいて、戻ってきた莉月に聞かれ答える。

