青蝶を包む朱い羽



「帰ろう・・・お前の居場所に」


私はまた莉月に抱えられながら
マンションというところに戻った。


中にはいると、中にいた男の人達が慌てて駆けつけてきた。


「大丈夫だ」


小声でそう言ったのは私が無意識に震えていたからだった。
細かいところでも気づいてくれるんだな。


「若!大丈夫ですか!」

「そんなに騒ぐな。怖がるだろが」

「すっすみません!」

「チッ」

「怒らないで・・・莉月」


私がそういうとさっきのが嘘のように
柔らかい笑みを浮かべてくれた。


「驚かせたか?」

「大丈夫・・・です」

「「「「わ、若が笑った」」」」


その驚きように私は不思議で頭を傾けた。
莉月は気にするなと言って
上に上がってきた。


中にはいると、昨日いた男の人と
もう1人、知らない男の人がいた。


「何でいんだよ。お前ら」

「そんな怒んなって。知らせを持ってきたんだよ」

「あ?そんなのしるかよ」

「若、真白さんにとっても大事な事です」


私にとっても?
それはどういう意味だろうか・・・

莉月は顔つきが変わり、昨日と同じように
私を間に座らせると、髪を弄り始めた。
そんな莉月を拓哉?さんではない
方の男の人が驚きながらみていた。


「あ・・・の・・・」

「気にしないでね真白ちゃん。
いつもはこんな事しないからさ~」


いつも?それは他の人もここに来たことがあるのだろうか・・・

そう考えたとき私は胸がいたくなった。
さっきの痛いとは違く、
痛いというより苦しかった。

この気持ちが何なのか私にはわからない。