母さんのところに行けばいいんだ。
誰の邪魔にもならないなら
私がいなくなればいいんだ。


外は雨のようだ。
ここはあまり雪が降らないらしい。
解放された夜の日以来、雪を見ていない。


そうだ。どこで死のうか・・・
やっぱり人目に付かないところがいいかな?
それとも、ここで死ぬ?


そんなことを考えていてまわりを気にしていなかった。
横断歩道を渡っていると、
信号は赤だったみたいで車がきた。


あぁ・・・ここが私が死ぬところなんだ。

いいよね?誰もいないし・・・この人には

申し訳ないけど・・・


目を閉じぶつかってくるのを待っていると
誰かに名前を呼ばれ、


「真白!?」


呼ばれたと同時に私は後ろに引っ張られた。
嗅いだことのあるシトラスの匂い・・・
どうしてここにいるの?


息が荒く、整えてる彼は
私を強く抱きしめて離そうとはしない。

「あ・・・ 「馬鹿やろう!?何してんだ!」


私が話そうと口を開いたとき、
彼に遮られた。


「やめてくれ・・・頼むから・・・
俺の前から消えないでくれ」


どうして・・・貴方が泣いているの?
それともそれは雨の雫?
私にはわからない・・・
でも・・・


「私には・・・悲しむ貴方をどうしていいかわかりません。
貴方がどうやれば笑ってくれるのか
私にはわかりません。
だけど・・・莉月が悲しむと胸が痛みます。」


笑ってほしい・・・悲しまないでほしい


初めて私は自分の中で我が儘のような事を願ったかもしれない。