「若頭である貴方が何をしてきたのか
それは見てきていないからわかりません。
だけど・・・貴方を汚れているとは
私には思えません。」

「だって・・・貴方の手は、
とても暖かいですから・・・だから」


だから、そんなに泣きそうな顔をしないで下さい。


「情けないな・・・真白。
何があっても俺から離れないでくれ。
頼む」

「はい」


私は躊躇しながらも莉月の後ろに手を回した。


この人は嘘を言っていない。
何故かそう思った。





ー翌日ー




目を開けると莉月に包まれるように
私は眠っていたようだ。

莉月の匂い・・・
シトラスの匂いだ。・・・落ち着く。


その時、何かが頭の中をよぎった。


『お前を愛してるよ真白』

『私も***愛してるよ』


私なの?これはいつの記憶なの?


『裏切り者・・二度とそんな顔見せんな
気持ち悪りぃ』

『お前はいらない』


私は・・・いらない?
気持ち悪い?私は存在しない方がいい?


消えないと・・・ここからいなくならないと・・・
また閉じ込められる・・・
また殴られる。


私は莉月から離れ、階段で外にでた。
遠くに・・・私が邪魔にならない所に・・・


そんな場所あるの?
あるわけない・・・私にはそんな場所ない


そうだ







   ・・・死ねばいいのか・・・