青蝶を包む朱い羽



優夜は微かに震えながら
私の服を離そうとはしなかった。


あの時の優夜と同じだな・・・



優夜を拾ったとき、天気は雨で、
仕事終わりの私にぶつかってきた
優夜は身体中が傷だらけで


昔の私と重ねていたんだ。
そしてなにより、優夜の目を私は気に入っていた。


生まれつきだといっていた
ウォーターパールの瞳には闇があり、
その闇を照らしてみたいと私は
思っていたんだ。


だから、私は優夜にきいたんだよ



『あなたに光を見せてあげる』



そんなかくしょうなんてどこにもなかったけど、私はその時、
少しだけ、瞳を揺らした優夜に
希望をいだいたんだ。


この子をすくえたなら、他の子供たちも
救えるかもしれない・・・