青蝶を包む朱い羽



車から降りると、たくさんの視線が私達にあつまっていた。


「おはよう、皆。真白、こっちは『玄武』の幹部で、総長の翔、副総長の景也、
幹部の千聖(チサト)に亜樹ね?『朱雀』は
まぁ・・・いいか」

「な!適当すぎんだろ!」

「紹介する必要ってあるの?私はまだ
あんた達を許した覚えはないわ。」


どうやら、私の過去のことについて
凪穂は怒ってくれていた。
それがなんだか嬉しくて、私は頬が緩んでしまった。


「大丈夫だよ、凪穂・・・私なら
喧嘩しないで?」

「っ、ま、真白がいうなら今回だけは
見逃すは・・いい?あくまで今回よ?」


真白は『朱雀』を睨みつけながら、
私を校舎の中に連れて行ってくれた。


「ここ、理事長室ね?」


一瞬、嫌な顔を浮かべた凪穂は
躊躇いながらドアを開けると再び閉じ、
その瞬間に誰かがぶつかる音がした。


「ごめんね?いつものことだから」


いつもって・・・理事長室にくるたびにこれってことかな?
世に言うこれが『ロリコン』というものかな?