青蝶を包む朱い羽



「橘さんがいないのなら、無理矢理にでも、連れて行きます。
真白?私と一緒に学校に行きましょう?」

「え!でも・・・」

「だめかな?」


しゅんとしたように顔を下げる凪穂を
見ていると断れず、私は
行くといってしまった。

その後は、凪穂が用意してくれた
制服に身を包み、学校に向かった。


心配していた陽希と拓哉も送り迎えはすると言ってくれたことに
安心したのかいいといってくれた。


「学校って・・・」

「あぁ、本当なら高校生だし、
通わせてもいいかなって、
とまぁ、勝手に決めちゃったけど、
優夜君も『朱雀』も『玄武』もいるし
それに、私もいるから、大丈夫!」


やさしいこの人の笑顔は
ただ私には眩しいだけだった。
この人はまるで光・・・私はそれに
照らされる影・・・
この人とは真逆の人間だ。


「・・・真白、そんな顔しないで?」

「え?」

「今にも消えてしまいそうな顔・・・
いなくならないでね」

「うん」


消える・・・その時はくるのではないか、
私は必ず消えてしまう・・・
そんなこと、思っていたらだめなのに、


「ついたよ、皆も来てくれてるし」

「そう・・だね」


人はまだ怖い・・・いつもなら莉月が
傍にいてくれるのに・・・
だめだな・・・まったく・・・