青蝶を包む朱い羽


そう思っていると、私は自分の手を水につけ、
泡をだし、手を洗った。

綺麗にしないと、莉月が汚れてしまう。
あの人のことを汚したらだめ・・
綺麗に・・・綺麗にしないと・・・


気が付くと、洗面器の中は血だらけで、
泡も血と混ざり赤くなっていた。
陽希に築かれる前にと思い、
染みるのを我慢して、私は手を洗い、
包帯を手に巻きつけた。




巻き終わったあと、キッチンに行けば、
拓哉が眠っていた。
皆、ソファが好きなのかな?
昨日の莉月を思い出して笑いながら
拓哉に毛布をかける。


すると、慌てて入ってきた陽希は私をみると安堵したように息を吐いた。

多分、出て行ったんだと思ったんだろう。
まぁ、いつかはそうなるけど・・・


「真白さん!その手っ」

「だ、大丈夫ですよ、ちょっとひっかいちゃっただけですから」


そういうことになると思うんだけどね・・・