天耀の言葉に、しばらく静寂がありました。
 
 それから、ゆっくりと鈴玉の手が天耀の首筋を撫でます。
 
 その動作と同じ位にゆっくりと鈴玉が言葉を紡ぎました。

「……いいえ、嫌ではありませんから……言ってくださいし。必ずわたくしも……貴方にこう返事をしますから」


『わたくしも、貴方が『押し売り』に来てくださって良かった。お慕いしております。これからも」


 
 それからこの夫婦は、いつまでも仲睦まじく暮らしていきましたが、
 

 どうしてか、夫の龍の姿は他の龍達と違う朱色の身体であったということです。