こんなんじゃ・・・ダメなのに


何やってるんだろう?


「理菜・・・」


「洋樹君に甘えちゃうなんて


どうかしてるよね?」


普通なら 大きい声で


痴漢ですって言うのに・・・


ビックリして 怖くて


どうすればいいのかわからなかった


「・・・これからは


なるべく俺のそばに居ろよ?」


「え?」


ぎゅ


『ドアが閉まります・・・』


電車のドアが閉まって


再び発車したのと同時に


私は洋樹君に抱き締められていた


「あの・・・洋樹君?」


「少し苦しいかもしれないけど


我慢して」


ドキン ドキン・・・


もしかして 駅に着くまで


このまま?


でも なんか落ち着くな


さっきまでの怖かったのが


ウソみたいになくなっていく