電車が停まって ドアが開いた


さすがに帰宅ラッシュか・・・


いつもはこんなに


いっぱいじゃないのにな


「・・・理菜?」


「あ・・・乗ろっか?」


なんとか人混みをかき分けて


やっとの思いで乗れた


洋樹君と少し離れちゃったな


『ドアが閉まります・・・』


アナウンスが流れて


電車が発車した


ガタン ガタン・・・


なんか・・・さっきから


お尻の方に違和感が


もしかして・・・ううん


もしかしなくても 痴漢だ


どうしよう・・・


鞄からスマホを出して


LINEを開く


これで洋樹君に助けを・・・


その時だった


「あんた 何やってんだよ?」


え?


声のする方を見ると


洋樹君が私の後ろに立っていた