私を好きって本当ですか?

あ・・・まただ


「あの・・・ごめんなさい!」


「・・・いや 今外すから


少し我慢して?」


そう言いながら 洋樹君は


自分のボタンに絡まっている


私の髪の毛を取ろうとした


ドキン ドキン・・・


どうしよう なんか恥ずかしい


膝の上に手を置いて


俯いていた


「なかなか・・・取れないな」


「ごめんなさい・・・」


「理菜のせいじゃないから・・・


あ もう少しで取れそう」


ドキン


洋樹君の声が・・・耳元に


これ以上 私の心臓がもたない


ドキン ドキン・・・


プチ


ん? プチ?


「取れたよ」


見ると 洋樹君のボタンが外れていた


もしかして・・・


「ボタン・・・取っちゃったの?」


「もう少しで取れそうだったんだけど


面倒だから 取っちゃえって思って」


確かに 髪の毛は取れたけど


「・・・さすがにやり過ぎたかな?」


「電車・・・降りそこねちゃったね」


ガタン ガタン・・・


次の駅で降りて お母さんに


電話して来てもらおう


確か 駅の近くで


働いてるって言ってた