もしも あの時・・・


洋樹君の気持ちに


気付いていたら どうなって


いたんだろう?


今は・・・よくわからない


「・・・洋樹君」


「そろそろ・・・行くか


勝手に入ったから


怒られるしな」


そう言いながら 洋樹君は


椅子から立って


読んでいた本を戻した


「俺・・・バカみたいだよな?


10年以上も経ってるのに


未だに理菜の事 想い続けてさ


気持ち悪いよな?」


そう言って 洋樹君は


苦笑いをしていた


「・・・そんな事ないよ」


「昔から・・・優しかったよな?


実はさ 中学の時


1度だけ理菜を見たんだ」


「え?」