しばらくすると 電車が来た


停まって ドアが開く


帰宅時間だから さすがに


混んでる・・・


私と洋樹君は なんとか


電車に乗れた


少し・・・きつい


『ドアが閉まります・・・』


ドアが閉まって 電車が


発車した


洋樹君は私の前に立っていた


ドキン ドキン・・・


なんか 慣れない


鞄の紐を持つ手に力が入る


何か・・・話さなきゃ


でも 話題がない


ガタン ガタン・・・


ガタン！


その時 電車が少し


大きく揺れた


私は 洋樹君に抱き着くように


ぶつかってしまう


「ごめんなさい・・・」


「・・・大丈夫か？」


ぎゅ


え？


そのまま洋樹君に抱き締められた


ドキン ドキン・・・


「あ・・・あの」


「・・・駅着くまで


このままでいる


また揺れるかもしれないから」


ドキン


耳元で囁くようにそう言われた