洋樹君は 息を切らしながら


私の所にやって来た


「・・・洋樹君」


「よかった・・・間に合って」


ドキン


思わず俯いてしまう


『まもなく電車が参ります・・・』


ホームに電車が来る


アナウンスが流れた


ぎゅ


突然 洋樹君が私の手を握った


「え?」


「・・・なんかごめん」


どうして謝るの?


「洋樹君?」


「理菜の事・・・不安に


させたかと思って」


本当は ちょっとだけ


不安になっていた


「私・・・不安になんか


なってないから


だから 気にしないで」


どうしてこんなに


冷静なのか不思議だった


洋樹君の事・・・好きだから?


でも きっと違う


私の''好き''と洋樹君の''好き''は


似てるようで 違うから