黒い日傘をさした女

食事は楽しく進んだ。


料理は絶品で申し分ない。


話題はもっぱら 俺の小説の話。


「雅也の小説って独特な世界観があるわよね」


とゆみ・・いや美蘭は目をキラキラさせながら言った。


「どんな世界観に感じるの?」


と俺は聞いた。


「なんかね、覚めた目で見てるんだけど表現は情熱的で結末が全く予想出来ない」


と美蘭は答えた。


「へえ、そんな風に感じるんだ」


と俺は驚いた。


「うん、冷たさと情熱・・かな?」


と美蘭は小首を傾げて笑った。


そんな美蘭に俺は見とれた。


ついポロっと一口サイズに切ったミディアムレアのステーキを口から落としそうになった。



いつだって俺は美蘭に見とれる。


”恋の予感”


という言葉が頭をよぎる。


そう考えて俺は苦笑した。




(いや、もう恋に堕ちてるかも)